ROHHAD症候群に関する自己抗体の研究を行っている広島市立北部医療センター安佐市民病院小児科、広島大学大学院医系科学研究科の宇都宮朱里です。
私自身、研究のきっかけとなったのは、原因がわからず、診断がわからない患者さんとの出会いでした。そこから15年以上研究を継続させてもらい、ROHHAD症候群の原因に自己抗体が関連していることや、抗体と症状の程度との関連についてわかってきました。ROHHAD症候群は、稀な疾患といわれているため、医療者側も診断するまでに時間を要することが多くある状況です。現在、より早い段階で診断や適切な治療につながるように、研究開発した抗体検査を広く活用いただけるような体制を立てるべく多くの方にご協力いただき構築中です。
今も症状に悩まれたり、情報が少なく相談窓口がないなど、不安やご心配を感じておられるROHHAD症候群の患者様、ご家族様も大勢おられるかと思います。
ただ、一方で世界や日本国内にいる研究者、医療者の診断や治療に関する進歩が少しづつですが確実に、認められています。また現在も厚労省の研究班や行政の方、検査会社の方などたくさんのご協力をいただき多方面からの応援をいただいています。これからもROHHAD症候群患者さん、そしてご家族皆さんの健康と夢が叶うよう貢献できることを継続していきたいと考えていますので、ぜひ一緒に歩んでいきましょう。